Technology Development

-太陽光、風力発電の余った電気を低温の 熱で貯蔵し、冷房が必要な特に使う-

余剰再生可能エネルギーの吸収機能を持つ帯水層蓄熱システム

01

技術開発実証内容

事業名:環境省 地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業 帯水層蓄熱設備に付加する余剰再生可能エネルギー電力吸収システムの技術開発

02

建物空調と帯水層蓄熱

建物空調とは、室内の温度や湿度、気流、空気の清浄度などを調整して、快適な環境を保つための装置やその機能を指します。

03

地下水の熱源利用と地盤沈下対策

大都市圏のほとんどは、過去の地盤沈下の大きな被害から、現在も厳しい揚水規制が継続しています。

04

再生可能エネルギー電力と余剰問題

2025年に示された国の第7次エネルギー基本計画では、2040年度の電源構成で、再生可能エネルギーを全体の4割から5割程度に拡大するとされています。

05

今回の技術開発・実証事業の詳細

帯水層蓄熱システム(ATES)は、季節間蓄熱が主でしたが、これに世界初の短周期蓄放熱や多重蓄熱機能を付加し、太陽光、風力などの再エネ電力を吸収機能を持たせます。

06

環境省技術開発・実証事業を含む帯水層蓄熱システム紹介

1の事業では、高効率・高性能な帯水層蓄熱システム向けに全量還水可能な揚水・還水切換え型井戸や熱源システムの構築技術を確立しました。
   

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関連情報

構成員/論文紹介/問合せ先/リンクリスト‐構成員/リンクリスト‐関連先/事務局(大阪公立大学)


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大阪公立大学

公立大学法人大阪 大阪公立大学
工学研究科
都市科学・防災研究センター
 
  

Image of demonstration project

開発システムの季節毎の動作イメージ

Technical Expertise through video

技術開発・実証実験の仕組みを
動画で紹介

本技術開発では、足元にある地盤(帯水層)と地下水を使い、季節間の蓄熱に重ね、より低温の蓄熱を行います。具体的には、電力の需要と供給のギャップとして主に中間期に生じる余剰となった太陽光や風力などの再生可能エネルギー電力(余剰再エネ電力)を熱源機で消費(吸収)し、低温の冷水に変えて蓄熱、タイムシフトして夏に直接利用することで、本来必要な熱源機の電力消費なし(ネガワット効果)で、ゼロカーボンベースの冷房を行い、その有効活用を図るものです。

本事業の動画紹介はこちら
Image

Demonstration Site
実証場所
大阪市舞洲障がい者スポーツセンター

アミティ舞洲 1997年10月開設

「いつ一人で来ても指導員や仲間がいて、安心して様々なスポーツを楽しむことができる」という基本方針のもと障がい者専用のスポーツ施設

施設概要:
敷地面積18,120㎡、延床面積14,374㎡、地上6階、スポーツ施設、宿泊施設
アメニティ舞洲の帯水層蓄熱設備 最大揚水・還水量100㎥
2020年5月から帯水層蓄熱システムの季節間蓄熱の技術実証を開始
余剰再エネ吸収の実施期間:2023年4月~2026年3月
2021年3月の帯水層蓄熱システム実証終了後も季節間蓄熱設備として運用を継続

Case Study

環境省技術開発・実証事業を含む帯水層蓄熱システムの紹介

Testimonial author

大容量で全量還水可能な熱源井戸の開発を目指して2015年10月から開始した環境省の技術開発・実証事業における、初の帯水層蓄熱システムです。

事業成果1‐高砂

Testimonial author

2018年10月から開始した環境省の技術開発・実証事業において、揚水規制区域内で大量の揚水・還水を行い、地盤沈下を起こさないことを実証しました。

事業成果2‐うめきた

Testimonial author

2018年から開始した環境省の技術開発・実証事業です。狭隘な都市域で蓄熱容量を確保するために開発した世界初の2層の帯水層を独立して利用するシステムです。

事業成果3‐舞洲

Testimonial author

環境省事業の成果を受けて、共同実施者の三菱重工サーマルシステムズでは、2021年に同システムを同社工場に設置し、現在も安定した運用を継続しています。

導入事例1‐三菱重工神戸造船所

Testimonial author

2024年度後半に、井戸の下部を埋め戻し、維持管理の容易な単層システムへの切換えを行いました。

導入事例2‐アミティ舞洲

Testimonial author

2018年からのうめきたでの実証成果を受けて、現在、南北2街区での運用が始まっています。 また、2025年関西万博会場では、4つある熱源ステーションの1つに付加する形で運用が始まっています。

導入事例3、4‐うめきた2期 関西万博

Main System Components

主要な構成設備

熱源井A


ターボヒートポンプ(700kW)


熱交換器と蓄圧タンク






Project Name
事業名称
環境省、地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業
帯水層蓄熱設備に付加する余剰再生可能エネルギー電力吸収システムの技術開発




■インフォメーション 大学情報
事業受託者 大阪公立大学
三菱重工サーマルシステムズ㈱
㈱竹中工務店
関西電力㈱
㈱安井建築設計事務所
東京大学
協力者 大阪市
2025日本国際博覧会協会
事業代表者 公立大学法人 大阪公立大学 工学研究科
教授 西岡真稔
事業事務局 公立大学法人大阪 大阪公立大学
都市科学・防災研究センター
特任教授 中尾 正喜
特任研究員 中曽康壽、秘書 北村桂子
公共交通機関 JR阪和線 杉本町駅から徒歩5分
地下鉄御堂筋線 あびこ駅から徒歩10分